月島の子

P150

休日出勤の日曜日、遅い昼休み。始めて、橋を渡って月島に足を運んでみた。
昔に比べると、やっぱりぜんぜん少なくなっている。昔は下町の路地猫といえば月島、だったのに。

それでも、夕方の早い時間。何匹か、姿をみかけることができた。
ここは、古い雑居ビルの裏階段。近所?のおじさんが、壁の向こうからしきりに「ミーちゃん、ミーぃちゃん」と声をかけていた。
おじさん、僕がいるのに気づいたら、恥ずかしそうに立ち去られた。悪いことした。

新緑

P140

今年の春の、撮れそうで撮れなかった未練たらたらな桜写真もこれが最後。
古い、苔むした幹の途中から、春の力のような青い芽。
いまさらこんなとこからニョキニョキ枝を生やす気もないだろうに。
あれかな、思わず出てきたニキビみたいなものかな。わしもまだまだ若いのぉ…w、だったりしてw。

消えゆくもの

P130

世田谷の古い団地。桜の散る頃に訪ねた。
とても残念だ。なぜもっと早く来なかったろう。
この団地、来年の春にはもうない。きれいにならされて、別の姿になってるはずだ。

40数棟あるうちの半数近くがすでに解かれるか、板を打ち付けられ閉鎖されている。
右手の棟1階の店舗兼店舗の張り出しも、すでに退去が済んでもぬけの殻だった。
ここは、お菓子屋とクリーニング屋だったらしい。

店舗の前に、小さな緑のコロニー。世話をする人はもういない。

microcosmos

P125

古い古い団地の片隅、誰も踏み込まないような裏庭で、年経た、タイル張りの流しを見つけたよ。
雨が降ったら雨を溜め、光が降ったら光を溜める、そんな、打ち捨てられた、古い流し。
そっと、覗いてみたよ。

きっと、次の春にはもうない。団地と一緒に掘り返され、ならされ…。それがとても残念。